Google の使命は、世界中で利用されている数十億台の Android デバイスを保護することです。このレポートでは、デバイスや Google Play に有害な可能性があるアプリ(PHA)が存在する率を低減するために Google が行っている取り組みを、透明性をもって提示します。
Google Play プロテクトは、Google Play だけでなく、あらゆる提供元の PHA を検出できるように設計されています。このような検出システムでは、できるだけ多くのアプリを解析し、それらを把握できるようにすることが重要です。また、Google Play のアプリはすべて公開前に審査していますが、すべてのユーザーを保護するためには、Google Play 以外で公開されているアプリについても同じように審査を行う必要があります。そこで Google では、ウェブ中をクロールしてアプリを収集し、Google Play を保護しているのと同じエンジンを使用してスキャンしています。さらに、PHA を配布しているサイトを Safe Browsing API のブロックリストに追加し、Safe Browsing API 対応のブラウザ(Chrome など)からアクセスすると警告が表示されるようにしています。
ユーザーのデバイスで Play プロテクトの [有害なアプリの検出精度を改善] を有効にしておくと、審査のためにアプリが Google に送信されます。1 つでも多くのアプリを Google のシステムで解析することが、PHA の検出精度を向上させ、PHA の影響を抑制することにつながります。
Google Play プロテクトが有害なアプリからデバイスを保護する仕組みについて学ぶ。arrow_forwardこのグラフは、Google Play からの PHA インストール率を連続 12 か月間の期間で示したものです。
2019 年下半期に、PHA のインストール率の増加を招いたスパイウェアと DoS による大規模な攻撃 2 件を特定して排除しました。
Google は、2022 年 8 月下旬より、権限昇格に関する脆弱性を不正利用したアプリによる攻撃キャンペーン(広告ポップアップの表示など)の検出を開始しました。権限昇格の脆弱性を不正利用するアプリの検出が増え、この傾向は続いています。Google ではこうしたアプリを特定し次第削除しています。
下のグラフは、Google Play でのインストール数の上位 10 の国 / 地域を示したものです。 このグラフは、PHA のインストール率を連続 12 か月間の期間で国 / 地域別に示しています。
PHA は、その動作に応じて、カテゴリに分類されています。下のグラフは、Google Play からの PHA インストール率をカテゴリ別に示したものです。PHA のインストールが、Google Play プロテクトを利用しているすべての Android デバイスでアプリのインストール数全体の 1% 未満であることを表しています。
2023 年第 3 四半期に、新しい PHA カテゴリとしてマスクウェアを追加しました。
カテゴリ | PHA インストール率 |
---|---|
マスクウェア | 0.02338516% |
スパイウェア | 0.018996211% |
バックドア | 0.001749734% |
権限昇格 | 0.0009224632% |
通信不正利用 | 0.0008951354% |
トロイの木馬 | 0.0002244829% |
フィッシング | 0.0000669959% |
スパム | 0.0000045158% |
悪意のあるダウンローダ | 0.0000039871% |
Windows の不正なソフトウェア | 0.0000033196% |
営利目的のスパイウェア | 0.0000014693% |
DOS | 0.0000011322% |
SMS 不正利用 | 0.0000003953% |
root 権限の取得 | 0.0000001541% |
通話不正利用 | 0.0000000053% |
ランサムウェア | 0.000000002% |
透明性は、Google の理念の根底にある概念です。オープンソース プラットフォームからユーザーへの情報公開まで、Google は知識をコミュニティと共有します。
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