透明性レポート

Network Enforcement Law に基づく削除

Network Enforcement Law(NetzDG)はドイツで 2017 年 10 月 1 日に発効しました。この法律では、NetzDG で定義された違法なコンテンツに対する効果的で透明性のある削除申し立て手続きを設けること、および透明性レポートを半年ごとに公開することをソーシャル ネットワークに対して義務付けています。Google では、2019 年 4 月 2 日をもって、すべての一般ユーザーに対してグローバルに Google+ のサービスのサポートを終了しました。ここで入手できるデフォルトのレポートの対象は、サポート終了までの前回のレポート対象期間ですが、過去のレポート対象期間のデータも見ることができます。レポートの現在のバージョンは、レポートの最後でダウンロードすることもできます。

このレポートは、Google の組織と手続き、申し立ての件数、削除されたコンテンツの件数に関するデータを提供します。また、Google での削除の実施とポリシーに関する全般的な情報も提供します。

Network Enforcement Law に基づく Google+ からのコンテンツの削除

Network Enforcement Law(NetzDG)は、ドイツ内で登録ユーザーが 200 万人以上のソーシャル ネットワークに対し、「明らかに違法な」コンテンツ(動画、コメントなど)の通知があった後 24 時間以内にローカルに削除することを必須としています。違法かどうか明らかではない場合、プロバイダは通常 7 日以内に判断します。例外として、判断する期間を延長できるのは、たとえば、コンテンツをアップロードしたユーザー(Google+ に投稿、画像、コメントが保存されているユーザー)に対して考慮するよう依頼があった場合、または自主規制機関として認定された業界団体に判断が委ねられた場合です。NetzDG に基づく削除が認められるのは、NetzDG に記載されるドイツ刑法(StGB)の 21 の条項のいずれかに違反するものです。また、Google では、グローバルな Google+ のコンテンツ ガイドラインに基づいてもコンテンツを審査しました。コンテンツが Google のグローバルなガイドラインに違反していた場合は、グローバルに削除しました。これらのポリシーには違反していないコンテンツが、NetzDG に記載される(§1 III NetzDG)StGB の 21 の条項のいずれか、またはその他の現地法に違反していると判断した場合は、ローカルに制限しました。

また、NetzDG では、ソーシャル ネットワークに対し、半年ごとにこのような申し立ての取り扱いについてのレポート(透明性レポート)を作成、公開することも必須としています。Google は、このレポートを公開することでこの義務を果たしています。このレポートは、毎年、1~6 月と 7~12 月のレポート対象期間で更新しました。

違法とされるコンテンツを扱う方法についての概要

Google は、違法なコンテンツの Google+ への掲載を許可しませんでした。違法なコンテンツについての報告を受けると、その申し立てを審査し、違法と判断した場合はそのコンテンツをローカルでブロックしました。Google の報告と審査のメカニズムについて詳しくは、下記をご覧ください。

報告された合計項目数

このデータには、NetzDG の意味の範囲内で違法とされるコンテンツに関する申し立てのみが含まれます。1 件の申し立てで、コンテンツの複数の要素(項目)が指定されている場合もあります。Google では、個々の Google+ の投稿、画像、コメントをそれぞれ 1 つの項目としてカウントしています。下のグラフは、6 か月のレポート対象期間中に申し立てに挙げられていた項目の合計数に関するデータを示しています。

報告された項目数(報告者別)

報告された項目数ユーザー報告機関0501001502002503003504004505005505416
Entity報告された項目数
ユーザー541
報告機関6

上のグラフは、レポート対象期間中に Google に報告された項目の数を、報告者の種類(報告機関とユーザー)別に示しています。このデータは、報告時の本人の指定に基づいており、Google では「報告機関」を選択したユーザーが実際に報告機関に属しているかどうかは確認できていません。

報告された項目数(申告理由別)

報告された項目数プライバシー名誉毀損または侮辱有害または危険な行為性的なコンテンツテロリストまたは違憲コンテンツ悪意のある表現や政治的な過激主暴力0204060801001201401601802002204116230475020314
Category報告された項目数
プライバシー41
名誉毀損または侮辱162
有害または危険な行為30
性的なコンテンツ47
テロリストまたは違憲コンテンツ50
悪意のある表現や政治的な過激主義203
暴力14

上のグラフは、レポート対象期間中に Google に報告された項目の数を申し立ての理由別に示しています。このグラフには、報告者から報告の時点で提供された理由のみが反映されています。

確認済みの報告機関

報告機関リクエストされた項目数削除された項目数
Eco00
FSM00
jugendschutz.net00

この表は、このレポート対象期間中に、NetzDG の領域の既知の報告機関から、児童への性的虐待の画像(CSAI)に法的措置を講じるようにと通知された項目の数を示しています(ECO、Freiwillige Selbstkontrolle Multimedia-Diensteanbieter e.V.、Jugendschutz.net)。

削除した数

このセクションのグラフは、レポート対象期間中に削除またはブロックされた報告項目の数の詳細を示しています。

報告者によって削除されたアイテム

削除された項目数ユーザー報告機関0501001502002503002832
Entity削除された項目数
ユーザー283
報告機関2

上のグラフは、レポート対象期間中に削除またはブロックされた項目の数を、送信者の種類(報告機関とユーザー)別に示しています。このデータは、報告時の本人の指定に基づいており、Google では「報告機関」を選択したユーザーが実際に報告機関に属しているかどうかは確認できていません。

申し立ての理由に基づき削除されたアイテム

削除された項目数プライバシー名誉毀損または侮辱有害または危険な行為性的なコンテンツテロリストまたは違憲コンテンツ悪意のある表現や政治的な過激主暴力010203040506070809010011011811428381067
Category削除された項目数
プライバシー11
名誉毀損または侮辱81
有害または危険な行為14
性的なコンテンツ28
テロリストまたは違憲コンテンツ38
悪意のある表現や政治的な過激主義106
暴力7

上のグラフは、レポート対象期間中にコンテンツの削除またはブロックが発生した項目の数を、申し立て理由別に示しています。このグラフには、報告者から報告の時点で提供された理由が反映されています。なお、その理由は、削除またはブロックの実際の理由と同じであるとは限りません。

追加情報の取得

アップロードしたユーザーの文言や事実に関する状況が正しいかどうかをソーシャル ネットワークが判断するのは困難です。NetzDG では、事実に関する文言が問題となっている場合、ソーシャル ネットワークがアップロードしたユーザーに問い合わせることが許可されています。しかし、アップロードしたユーザーから相応の回答を得るには、該当の文言が虚偽であるとされる理由について、報告者による詳細で法的な根拠のある申し立てが必要になります。NetzDG の法的申し立ての大半について(Google が詳細を明示的に求めた後でも)立証されないという事実から、こうした場合にアップロードしたユーザーに問い合わせるのに十分な理由がありません。これは、ホストするプラットフォームがコンテンツをアップロードしたユーザーに問い合わせる必要があるのは、法的根拠のある申し立てがある場合のみとされた最高裁の最近の判例法に則ったものです。

アップロードしたユーザーへの連絡
2
当該申し立てに関する見解を求めるために、アップロードしたユーザーに転送した項目の合計数です。
不完全な申し立て
106
送信者に追加情報の提供を求めた項目の合計数です。

外部の助言の依頼

刑法の領域にはいる複雑な事例には、その現地において、禁止されている組織、禁止されているシンボルやジェスチャー、インデックスに登録された曲など、特有の背景知識が必要になる場合があります。その場合、Google は外部機関の助言を求めることがあります。これは、外部の弁護士、NetzDG に関する問題を専門とする自主規制機関のいずれかなどです。

自主規制機関
0
自主規制機関に転送された項目の合計数です。
外部の弁護士
0
判断にあたり外部の弁護士に助言を求めた項目の合計数です。

所要時間

このセクションのグラフは、レポート対象期間中に Google で削除またはブロックした項目の総数を、所要時間別に示しています。所要時間とは、申し立てを受けてから、報告された項目を削除またはブロックするまでの時間です。

所要時間(報告者別)

報告機関ユーザー24 時間未満48 時間未満1 週間未満長い025507510012515017520022525027520002559145
Time報告機関ユーザー
24 時間未満2255
48 時間未満09
1 週間未満014
長い05

上記のグラフは、レポート対象期間中に項目の削除またはブロックに要した時間を、報告者のタイプ別に示しています。このデータは、報告時の本人の指定に基づいており、Google では「報告機関」を選択したユーザーが実際に報告機関に属しているかどうかは確認できていません。7 日を超える場合は、技術的問題、外部の助言を求めた複雑な事例、または一般的ではない言語が理由です。

所要時間(申し立て理由別)

24 時間未満48 時間未満1 週間未満長いプライバシー名誉毀損または侮辱有害または危険な行為性的なコンテンツテロリストまたは違憲コンテンツ悪意のある表現や政治的な過激主暴力0102030405060708090100110
理由24 時間未満48 時間未満1 週間未満長い
プライバシー7130
名誉毀損または侮辱69660
有害または危険な行為14000
性的なコンテンツ24112
テロリストまたは違憲コンテンツ36110
悪意のある表現や政治的な過激主義100033
暴力7000
理由24 時間未満48 時間未満1 週間未満長い
プライバシー7130
名誉毀損または侮辱69660
有害または危険な行為14000
性的なコンテンツ24112
テロリストまたは違憲コンテンツ36110
悪意のある表現や政治的な過激主義100033
暴力7000

上のグラフは、レポート対象期間中に項目の削除またはブロックに要した時間を申し立ての理由別に示しています。これらのグラフには、報告者から報告の時点で提供された理由が反映されています。なお、その理由は、削除またはブロックの実際の理由と同じであるとは限りません。

すべての報告された項目のうち、Google で削除またはブロックの措置を講じなかった項目の割合です。コンテンツがコンテンツ ガイドラインに違反しておらず、NetzDG の刑法条項への違反も見つからなかったものです。
すべての申し立てのうち、受領してから 24 時間以内に削除またはブロックした項目の割合です。該当する事例の多くでは、Google+ コンテンツ ガイドラインへの違反を理由に、コンテンツを世界中で削除しました。

コンテンツ ガイドラインの適用

このグラフでは、報告された項目のうち、Google のコンテンツ ガイドライン違反のためにグローバルに削除された項目の数と、NetzDG に基づきローカルのみでコンテンツが制限された項目の数を並べて比較しています。Google のコンテンツ ガイドライン違反と NetzDG の刑法条項の違反の両方に該当する項目もあります。その場合は、コンテンツ ガイドラインを理由にグローバルに削除しました。たとえば、グラフに示すように、性的なコンテンツとして報告された項目の大部分は、現地法の法的条項に基づいてローカルで削除されたのではなく、Google のコミュニティ ガイドラインを理由にグローバルで削除されました。

コンテンツ ガイドラインの適用と NetzDG 法の比較

ローカルで削除済み(NetzDG)グローバルで削除済み(CG)プライバシー名誉毀損または侮辱有害または危険な行為性的なコンテンツテロリストまたは違憲コンテンツ悪意のある表現や政治的な過激主暴力01020304050607080904240010182757142828885
Categoryローカルで削除済み(NetzDG)グローバルで削除済み(CG)
プライバシー47
名誉毀損または侮辱2457
有害または危険な行為014
性的なコンテンツ028
テロリストまたは違憲コンテンツ1028
悪意のある表現や政治的な過激主義1888
暴力25

メカニズム、通知、報告方法、審査

Google は表現の自由と情報へのアクセスを保護することを目指しています。しかし、Google+ 上で活気があり楽しめるコミュニティを維持するために、その原則と、コンテンツ ガイドラインや法律に違反するコンテンツの拡散を防止する取り組みとのバランスをとりました。このバランスをとることは、特に言論の基準が異なる複数の社会でグローバル プラットフォームを運営する場合、決して簡単ではありません。

NetzDG に沿って違法とされるコンテンツに関する申し立てを送信するメカニズム

NetzDG に基づく申し立てを報告できるよう、Google+ は、わかりやすく、直接アクセスでき、いつでも利用可能な報告フローをサービス内に設けました。ログインしているユーザーが NetzDG に基づく法的申し立てを送信する手続きは、問題を報告するフローに直接わかりやすく組み込まれ、右上の各投稿の横から利用することができました。送信者が、問題を報告するフローをクリックして NetzDG のオプション([このコンテンツは Network Enforcement Law(Netzwerkdurchsetzungsgesetz: NetzDG)の規制対象だと思う])を選択すると、法的ウェブフォームが表示され、そこから各自が NetzDG の申し立てを送信することができました。

Google+ は、ログインの有無を問わず、Google+ のインプリント(ドイツのすべてのユーザーが利用できるお問い合わせページ)から直接アクセスできる NetzDG の法的ウェブフォームも用意しました。

法律の専門家ではない、平均的な一般ユーザーは、不法行為が複雑に絡み合った問題に直面すると困惑する可能性が高く、報告を思いとどまることもあります。平均的な一般ユーザーが、法的な NetzDG の申し立てを提出する際に StGB の関連状況を理解して引用することはまずありません。さらに、報告されたコンテンツは、記載されている違法行為の複数に該当する可能性もあります。たとえば、通常、犯罪組織やテロ組織の新しいメンバーや支援者を募ろうとしている動画(StGB 第 129 条、第 129 条 a)に、StGB 第 86 条、第 86 条 a に基づき犯罪になり得る、旗などのシンボルが含まれている場合、この動画は、StGB 第 89 条 a に従い、国家を危険にさらす重大暴力犯罪の準備への違反である可能性もあります。

そのため、通知プロセスを簡易化し、NetzDG に基づき違反と思われるコンテンツをユーザーが報告しやすいように、Google では、NetzDG 報告フローに、21 の関連する刑法違反に対応し、それらが反映され、一般的に理解しやすいように分類された、7 つのコンテンツ カテゴリを作成して、NetzDG 報告フローに表示されるようにしました。この方法は、非常に抽象的で非常に広範囲にわたる犯罪を(特に法律の専門家以外の人にとって)よりわかりやすいものにすることにも役立ちました。たとえば、StGB 第 140 条には、国家反逆、殺人や、戦争犯罪のような重大な犯罪の前提となるものから、重傷を負わした犯罪、国民を危険にさらす特定の犯罪、特定の重大な性犯罪など、多岐にわたる犯罪が記載されています。コンテンツ通知プロセスに関する操作性は、ユーザーが、法的コンテンツの有効な申し立てを送信するための、小さいリクエストにも対応する、実際と同様の方法を高く評価していることに表れていました。

これらのカテゴリ、および基本的に対象となると思われ、選択することによって報告された対応する刑法違反は次のとおりです。

悪意のある表現や政治的な過激主義

  • StGB 第 130 条: 憎悪の扇動
  • StGB 第 166 条: 宗教、宗教団体、思想団体に対する名誉毀損

テロリストまたは違憲コンテンツ

  • StGB 第 86 条: 違憲組織のプロパガンダ コンテンツの流布
  • StGB 第 86 条 a: 違憲組織のシンボルの使用
  • StGB 第 89 条 a: 国家を危険にさらす重大な暴力犯罪の準備
  • StGB 第 91 条: 国家を危険にさらす重大な暴力犯罪遂行の奨励
  • StGB 第 100 条 a: 反逆的な偽造
  • StGB 第 129 条: 犯罪組織の結成
  • StGB 第 129 条 a: テロ組織の形成
  • StGB 第 129 条 b: 海外の犯罪組織とテロ組織、没収とはく奪の拡大
  • StGB 第 140 条(StGB 第 138 条 I と併せて): StGB 第 138 条 I に記載される特定の犯罪の報酬提供および承認
  • StGB 第 269 条: 証拠提供を目的とするデータの偽造

暴力

  • StGB 第 131 条: 暴力描写の拡散

有害または危険な行為

  • StGB 第 111 条: 犯罪への公然の扇動
  • StGB 第 126 条: 犯罪遂行の示唆による公共の平和への妨害
  • StGB 第 140 条(StGB 第 126 条 I と併せて): StGB 第 126 条 I に記載されている犯罪の報酬提供および承認
  • StGB 第 241 条: 重犯罪遂行の脅迫

名誉毀損または侮辱

  • StGB 第 185 条: 侮辱
  • StGB 第 186 条: 名誉毀損
  • StGB 第 187 条: 故意による名誉毀損

プライバシー

  • StGB 第 201 条 a: 公にしたくない内容に関する写真撮影によるプライバシー侵害

性的なコンテンツ

  • StGB 第 184 条 b: 第 184 条 d(ブロードキャスト、メディア、通信サービスによるポルノ行為の配布)と併せて児童ポルノの配布、入手、所持
  • StGB 第 140 条(StGB 第176~178 条と併せて): StGB 第 176~178 条に記載される特定の犯罪の報酬提供および承認

コンテンツの報告についての長期にわたるグローバルな経験に基づき、Google は、NetzDG の法的な目的は総じてこれらのカテゴリで適切にサポートされ、達成されるものと確信しました。

NetzDG に従って報告者とアップロードしたユーザーに通知する方法

Google では、上記の NetzDG 報告チャネルから NetzDG に基づく申し立てを受け取ると、申し立てを受領したことと審査する旨を知らせる確認メールに参照番号を記載して報告者に送信しました。申し立てと違法とされるコンテンツを審査し終えたら、削除するか措置を講じないかの決定を知らせるメールを報告者に送信しました。また、アップロードしたユーザーが Google のポリシーまたは法律に違反していた場合はそのユーザーにも通知し、Google+ のアップロードしたユーザーが利用規約についての知識を得られるよう削除に関する詳細を提供しました。

報告する方法

技術システム。Google の技術システムは常時稼働して、スパム、性的なコンテンツなど、コンテンツ ガイドラインへの違反を特定してきました。このアルゴリズムには、毎週および毎月新しいルールが追加されました。さらに、ハッシュ技術を使用して、児童への性的虐待の画像など、なんらかのポリシー違反で削除された Google+ の写真が再度アップロードされるのを防止してきました。フィンガープリントとその照合技術を使用して、児童への性的虐待の画像が含まれる写真に対してスキャン、特定、アップロードの阻止を行っています。

人間による報告: トップレベル ユーザーとその他のユーザー。Google の報告システムは、ログインしているユーザーが Google+ のグローバルなコンテンツ ガイドラインに違反するコンテンツを Google に通知するためのものです。これは、法的義務とは別個の自発的な自主規制システムでした。Google アカウントにログインしているユーザーは、グローバルなコンテンツ ガイドラインに違反する可能性のあるコンテンツを見つけたら、Google+ での報告方法(右上の 3 つのドットのアイコン)にアクセスし、[不正行為を報告] をクリックして、コンテンツの違反のカテゴリを選択することで、問題を報告できました。報告の際、ユーザーはそのコンテンツが違反していると思われるポリシーを報告しました。ポリシーに関する報告のカテゴリと削除の理由には、[露骨な性表現]、[暴力的、危険、またはテロ行為の助長]、[悪意のある表現、嫌がらせ、いじめ]、[スパム] があります。コミュニティの報告は、Google のコンテンツ ガイドラインのみに基づいて審査されました。

トップレベル ユーザー プログラムは、Google+ コンテンツ審査チームのために、Google+ のあらかじめ決められた一部のユーザーを優先する方法として考えられたものです。このようなトップレベル ユーザーは、フォーラムでの質問への回答に長時間費やすことで得たサービスへの詳しい知識に基づいて、傾向や微妙な事例をエスカレーションしました。トップレベル ユーザーが報告したサービス内のコンテンツ ガイドライン違反は、コンテンツ審査チームにエスカレーションされました。トップレベル ユーザーからの報告は、Google のコンテンツ ガイドラインに基づいてのみ審査されました。トップレベル ユーザー プログラムについて詳しくは、こちらをご覧ください。

法的な申し立て。Google は、ログインしているユーザーが、Google+ に投稿されたコンテンツが NetzDG に基づく条項のいずれかに違反していると判断した場合に、簡単に直接 Google に通知できる専用のプロセスを作成しました。違法とされるコンテンツの報告は、投稿されたコンテンツの右上にある 3 つの点のアイコンから Google+ の報告オプションにアクセスし、[このコンテンツは Network Enforcement Law(Netzwerkdurchsetzungsgesetz: NetzDG)の規制対象だと思う] チェックボックスをオンにすることで行えました。また、ログインの有無を問わず、Google+ のインプリントからアクセス可能な NetzDG ウェブフォームから NetzDG の申し立てを報告することもできました。報告者には、Google が申し立てを受領したことを確認する返信を送信しました。ユーザーはこうした報告チャネルを使って、不適切な項目を特定し、法的申し立ての理由を指定することができました。この情報は、Google が正しい法的審査を行って適切な措置を講じるために必要なものです。ローカルな法的削除に関して、その根拠が明らかでなかった場合や、正当な理由が十分になかった場合は、報告者に追加情報を求めることもありました。報告されたコンテンツが Google+ のコンテンツ ガイドラインに違反していた場合は、グローバルに削除しました。これらのガイドラインには違反していないが、NetzDG に記載される刑法違反のいずれに該当するコンテンツについては、ローカルでブロックしました。報告者には、Google の判断とその理由について、Google+ から通知メールを送信しました。

長年 Google は、他の専用の法的ウェブフォームを提供して、ユーザーが法的申し立てを送信できるようにしており、地域の適用法令で違法と Google が判断したコンテンツをブロックしてきました。報告者には法的申し立てに関するフィードバックが必ず送られました。

審査のプロセス

Google+ コミュニティの人間による報告。Google は、問題の報告を受け取ると、審査チームがそのコンテンツをグローバルな Google+ のコンテンツ ガイドラインに基づき審査しました。報告されたコンテンツの審査にあたり、審査チームが調べることができた周辺のコンテキストには、投稿上の写真に添えられた見出しや、その Google+ コミュニティの説明などがあります。このようなコンテキスト上の手がかりが、アップロードの意図を確認する重要な要素となることがよくあります。たとえば、時事問題に関する政治的コミュニティは Google のグローバル ポリシーでは許可される可能性があります。Google では、コミュニティについての説明や、アップロードされたその他のコンテンツから、そのコンテキストを判断しなければならないこともありました。ただし、同じコンテンツが悪意のある考え方を称賛または助長するためにアップロードされている場合は、コンテンツ ガイドラインに違反する可能性があり、削除されることがありました。

Google は、許可するコンテンツの種類に関する一般的ルールをコンテンツ ガイドラインで定めており、ルールの多くが NetzDG の条項と重なっています。重なるガイドラインは、悪意のある表現、嫌がらせ、いじめ、脅迫、個人情報、児童労働搾取、露骨な性表現、暴力、テロリストによるコンテンツを禁止するものなどです。各カテゴリでのポリシーについて詳しくは、こちらをご覧ください。

Google 審査チームでは、コンテンツが Google のコミュニティ ガイドラインに違反していた場合は、コンテンツをグローバルに削除し、コンテンツがガイドラインに違反していなくても、未成年に不適切な可能性がある場合は、「一般向けではない」とマークしました。また、ガイドラインに違反していないとみなした場合は、コンテンツを公開したままにしました。不正行為が繰り返し行われる場合や、悪質な違反については、特定の機能を無効にするか、アカウントを停止することにより、ユーザーにペナルティを課すことがありました。また、テロなどの悪質な違反の場合は、最初の違反でアカウントを停止することもありました。

一般的な法的報告。Google は、法的申し立てを受けると、申し立てに提示された情報と指摘されたコンテンツを基に、審査チームが審査を行いました。さらに審査担当者は、上記のように、報告されたコンテンツの周辺のコンテキストも確認しました。申し立てに重要な情報の一部が欠落している場合(たとえば、名誉毀損とされるコンテンツの対象となる人物の識別情報がない場合)、チームは報告者に問い合わせて、追加情報を求めることもありました。法的審査は、この追加情報が届いた後で行いました。Google は、コンテンツが著作権や個人の権利の侵害にあたるとして違法と判断した場合、そのコンテンツをローカルでブロックしました。

NetzDG の申し立て。Google の審査プロセスでは、NetzDG の申し立てを受けると、専門の NetzDG 審査チーム(審査チームの項をご覧ください)が、報告されたコンテンツの周辺のコンテキストを調べ、グローバルなコンテンツ ガイドラインにも照らしてコンテンツを審査し、違反している場合はグローバルで該当コンテンツを削除しました。ガイドラインには違反していないが、NetzDG(NetzDG 第 1 条 III)に記載される StGB の 21 の条項のいずれかに違反しているコンテンツについては、ローカルでブロックしました。

申し立ての審査は概して簡単ではありません。刑法違反の中には、証拠となるデータの偽造(ドイツ刑法 269 条)など、弁護士であっても、特定が難しいものがあります。また、名誉毀損と侮辱のカテゴリ全体のように、過去何十年にもわたって、特にドイツ憲法の発効以降、広範囲にわたる判例が設けられている分野もあります。このように、名誉毀損と侮辱については、明白に違法となる事例はごくわずかです。あるコンテンツが合法かどうかは、裁判所がときには何年もかけて審議することであり、それでも裁判によって異なる結論に至ります。たとえば、連邦最高裁判所の判決が連邦憲法裁判所で覆されることがあります。これは複雑な比較衡量基準の実施が必要であり、それぞれの事例の合法性は常に、個々の状況に依存することを何度も示しています。裁判所での審理とは異なり、ソーシャル ネットワークでは必要な情報が必ずしもすべて得られるとは限りません。さらに、証拠規則を必要とする主要な手続きも定められていません。こうした事例では、コンテンツの許容性の判定は、犯罪の特定の要素で判断される際は、非常に難しく、通常は該当する裁判所による判断が求められます。

こうした考察は、実例による裏付けもあります。名誉毀損と侮辱のカテゴリでの NetzDG の申し立ての多くは、本人ではなく、本人の名誉が毀損されたおそれがあると主張する第三者によって報告されたものでした。実際にそのとおりかどうかや、本人が実際に該当する警察当局で告訴しているかどうかは(こうした告訴には当事者の申し立てが必要です(親告罪))、報告者の身元を確認できる立場にないソーシャル ネットワークとしては、判断できませんでした。

NetzDG のリクエストは、NetzDG チームが二交代制で、365 日週 7 日、Google+ のサポートが終了するまで審査し、該当する場合は NetzDG の期限内にコンテンツのグローバルな削除またはローカルのブロックを行いました。明らかに正当な理由がないリクエストについては、法的要件に従って報告者にすぐに通知しました(「NetzDG に基づいて報告者とアップロードしたユーザーに通知する方法」の項をご覧ください)。コンテンツで、グローバルな Google+ のコンテンツ ガイドラインや関連する刑法の条項への違反が明確でなかった場合や、コンテンツが複雑だった場合、ドイツとの関連が明確でなかった場合、NetzDG コンテンツ審査担当者は、審査を迅速に進めるためそのリクエストを次のレベルにエスカレーションし、シニア コンテンツ審査担当者が適切な措置を講じました。複雑なリクエストは Google 法務チームに渡し、法務チームでも確信が持てない、境界線上の難しい事例については、法務チームから Google Germany GmbH の法務部門のメンバーにエスカレーションしました。特に難しい事例の場合は、Google Germany GmbH の法務部門から、刑法を専門とする外部の法律事務所にエスカレーションしました。通常、この手続きには最大で 7 日ほどかかりました。

NetzDG チームが意図したとおりに機能し、グローバルな Google+ のコンテンツ ガイドラインと NetzDG に基づく刑法違反を正しく一貫して適用していることを確認するため、Google では確固たる品質審査プロセスを導入しました。レポート対象期間において、審査したコンテンツの約 70% を監査しました。品質審査の数は、受け取ったリクエストの数に応じて、週ごとに異なりました。このプロセスにおいて、品質審査チームは、それぞれのコンテンツ審査担当者による判断を評価し、個々にフィードバックを提供して、品質審査の結果を総合的に分析しました。選択された品質サンプルが、1 週間の品質データの概要の基準となりました。品質審査担当者は、NetzDG チーム内の別のチームであり、以前にコンテンツ審査に携わったことがあり、NetzDG に記載されている刑法やグローバルな Goolge+ のコンテンツ ガイドラインについて十分な経験を持つ、シニア チームメンバーで構成されました。Google 法務チームと NetzDG チームの間で毎週開かれるミーティングでは、最新の品質審査結果について話し合うだけでなく、特に関心が高く、難しい、複雑な事例については修正も行いました。さらに、顕著な傾向、現在の「注目トピック」、判例の進展も取り上げ、NetzDG チーム全体で一貫したアプローチをとることができるよう十分に議論しました。必要に応じて、Google では、コンテンツ ガイドラインの更新や判例の進展などに合わせ削除ポリシーを修正しました。このような修正があった場合は、新しいガイダンスや、必要な場合には、トレーニング資料を、NetzDG チームのすべてのメンバーに配布しました。

審査チーム

Google+ のコンテンツに関連するポリシーの報告や法的な申し立ては、Google 社員または提携ベンダーによって審査されました。Google では、質の高い確固たる審査フレームワークを備え、報告されたコンテンツに関してグローバル スタッフが常に最善の判断を行えるように徹底し、その審査結果について定期的にフィードバックを収集しました。

Google+ コンテンツ ガイドラインに基づいてコミュニティの報告を審査している、Google+ のポリシーおよび適用チームには、ドイツ語を含め、複数の言語に堪能な世界中の人が含まれていました。報告されるコンテンツの性質上、Google では、1 対 1 のカウンセリング、グループ カウンセリングや、その他の社員向けウェルネス アクティビティなど、強力な福利プログラムを用意しました。

Google+ のコンテンツに関連する法的申し立てに対応しているチームのメンバーの中には、法律の学位を持ちドイツ語を話す法律専門の担当者もいました。こうした担当者は全員、現地法のトレーニングを受けており、Google の現地の弁護士と協議しました。必要に応じて、法律上の専門知識がさらに必要となった場合は、現地の外部の弁護士に法的助言を求めることもありました。

NetzDG チーム。NetzDG の申し立てに対し、Google はドイツの外部サービス プロバイダに専門チーム(NetzDG チーム)を結成しました。NetzDG からのリクエストの数に応じて、コンテンツ審査担当者の数は変わりました。このチームは、YouTube の NetzDG チームに属していました。レポート対象期間中、Google+ のサポートの終了までチームのメンバー数は 11 名でした。このチームは、8 名のコンテンツ審査担当者(シニア コンテンツ審査担当者を含む)、管理を行うチームリード 1 名、サポートする品質審査担当者 1 名とトレーナー 1 名で構成されていました。

文化的な多様性を確保するため、審査担当者の経歴はさまざまであり、話す言語もさまざまです。年齢層も 20~45 歳と幅があります。すべての NetzDG チームメンバーはドイツ語を母国語とし、英語も話します。フランス語、日本語、スペイン語、ポルトガル語のいずれか 1 つ以上の言語を話すメンバーもいます。これは、外国語でのドイツへの潜在的なリンクの審査に役立つことを証明しています。NetzDG チームメンバーの半数が、政治学、メディア学、保健科学、教育学などの分野で、学士号、修士号などの大学の学位を取得しています。オフィス通信、貿易などの分野で研修を積んだチームメンバーもいれば、最近、学校教育を終えたチームメンバーもいます。

NetzDG チームの各メンバーは、グローバルなすべての Google+ コンテンツ ガイドライン、手続きや、Google の技術システムに関する一般的なオンボーディング トレーニングと、NetzDG に基づく刑法違反に関する法的トレーニングを受けました。オンボーディング トレーニングのほか、Google では 6 か月ごとに法的な NetzDG 更新トレーニングも必須として提供しました。更新トレーニングは、一般に法律学の教授、犯罪専門の弁護士、Google(特に Google Germany GmbH)の法務チームに属するメンバーからなるチームによってドイツ語で提供されました。Google では、これらのトレーニングを複数回のセッションで提供し、チームリード、品質審査担当者、トレーナーなど、すべてのチームメンバーがトレーニングを受け、(事前に収集した)質問やサンプル議題を討論する機会を十分に持てるようにしました。さらに、Google Germany GmbH の法務部門のメンバーの協力のもとで Google 法務チームが提供する、特別な法的トレーニングも必要に応じて実施しました。Google では、「トレイン ザ トレーナー」モデルを使用しているため、NetzDG チームの専任トレーナーを育成し、そのトレーナーが NetzDG チームの他のメンターに対するトレーニングの提供を担当しました。更新トレーニングと特別な法的トレーニングのどちらも、前回の半年のレポート対象期間中は審査が難しかった現在の進展、傾向、新しい判例、リクエストの種類を対象としました。

また、NetzDG チームは、定期的に実施されるコンテンツ ガイドライン更新トレーニングも利用しました。これらの更新トレーニングでは、悪意のある表現や児童の安全性など、当チームに関連する新たな開発やトレンドを扱いました。さらに、武器、悪意のある危険な嫌がらせ行為、デジタル セキュリティ、虚偽コンテンツなど、特定のカテゴリについての専門的なトレーニングも実施しました。これらのコンテンツ ガイドラインに基づくトレーニングは、ポリシー適用担当マネージャーが Google の法務チームのメンバーと連携して提供しました。また、NetzDG チームには、関連があれば、コンテンツ ガイドラインについての週 1 回および緊急の更新情報も配信されました。

NetzDG チームのメンバーには、臨床心理士、セラビスト、トレーナーの専任チームによる定期的およびリクエストに応じたドイツ語でのトレーニングや個人カウンセリング セッションなど、強力な福利プログラムや心理的サポートが提供されました。このチームは、サポート ホットラインを通して 24 時間 365 日いつでもカウンセリングを受けることができました。心身の健康をサポートする施設も用意し、気分転換用のスペースや、個人のカウンセリング専用のプライベート スペースなどを設けました。これは、Google のすべての審査チームに提供している福利プログラムと同じでした。さらに、割引料金でフィットネスやジムの会員になることもできました。

業界団体への参加

このレポート対象期間中、Google+ は Google を通じて NetzDG に関する以下の団体に参加していました。

FSM と ECO はホットラインを運営しており、ユーザーは違法の可能性があるコンテンツについての申し立てを電話で行うことができます。その申し立ては審査のために Google の審査チームに転送されます。Google は 1 件ずつ、Google の判断に関する詳細なフィードバックをその報告ホットラインに送ります。

Google は協力関係が重要だと考えています。Google+ のサポート終了にかかわらず、悪意のある表現や差別をなくすことを使命とする市民社会グループおよび政府と密接に協力して、ローカルな状況について把握し、解決策を考えます。Google のポリシーの適用について実態をパートナーや専門家と定期的に確認します。ローカルまたは全国的なワークショップを NGO を招いて開催し、Google のポリシーとサービスの最新情報を伝え、Google サービスだけでなくセキュリティ対策の使用方法を実習し、最近の課題や中心的な問題について討議します。

Network Enforcement Law に基づく削除

Google はドイツの Network Enforcement Law に基づいて、このレポートに含まれる削除、ポリシー、手続きに関する情報を提供します。

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